心理療法・精神療法

おざわ心理相談室では、クライアント様の困りごとや症状を詳しく伺って、その方の状態や環境に応じた最適な心理療法や精神療法を採用します。特定の療法や流派にとらわれず、おひとりおひとりに合わせた統合的アプローチを用いています。

以下のようなエビデンスに基づいた療法やテクニックを採用しております。

認知行動療法

Cognitive Behavioral Therapy

うつや不安をはじめ、夫婦問題や摂食障害などさまざまな症状の治療に用いられており、さまざまな研究で効果があると認められている療法です。

認知行動療法では、認知-行動-感情はお互いに密接に関係していると考えます。例えば、過度に完璧主義の人は、何事もパーフェクトでなければならないと考えて頑張り、できなかった場合には、悲観的なってしまうかもしれません。このように、考え方や行動のパターンが人によって異なります。セラピーでは、問題を整理し、自分の考え方や行動のパターンを知り、より望ましい思考や行動ができるようになる方法を一緒に考え、新しい方法ができるように練習します。

EMDR

Eye Movement Desensitization and Reprocessing(眼球運動による脱感作と再処理法)の略で、トラウマやPTSD(心的外傷後ストレス障害)に対して、治療効果が認められている心理療法です。

つらかった記憶に繋がっている恐怖感、不安感、身体的な苦痛などのストレスを和らげ、レジリエンス(ストレスなど外的な刺激に対する柔軟性・回復力)を高める効果があります。脳がもともと持っている、嫌な記憶を処理する自然治癒力を利用する療法です。通常の言語を用いたセラピー(talk therapy)と異なり、トラウマや嫌な記憶を詳細に話す必要がないので、苦痛の少ない療法とされています。

眼球運動が基本ですが、音、触覚などのさまざまな両側性刺激を使う方法があります。

マインドフルネス

Mindfulness

マインドフルネスとは、心を今この瞬間の現実に注意を向け、あるがままに受け入れることです。言い換えると、自分の今の気持ちや身体の状況に注意を払い、それをしっかり感じ、こころを落ち着ける作業と言えるでしょう。

例えば、急いでいると気持ちはイライラしますし、緊張していると肩や手にチカラが入って身体が固くなったりします。このようにいつもと違った負荷(ストレス)がかかった時の感情の動きや身体の状態に気づくことが出来れば、深呼吸やストレッチなどをして、ストレスに対処する方法を実践して、気持ちを落ち着けることができます。

マインドフルネスでは、呼吸法、瞑想、リラクゼーションといったエクササイズを用いて、心とからだのストレス耐性を上げていきます。

精神力動療法

Psychodynamic Therapy

フロイトの精神分析から始まり、その流れをくむユング派心理療法、対象関係論 (object relation theory)やアドラー心理学など含めた心理療法の総称です。

幼少期が、大人になってからの人生に非常に大きな影響があると考えています。セッションで過去の経験や感情などを話し合うことで、自分自身へ理解を深め問題を解決していく方法を考えていきます。

実存療法

Existential Therapy

実存療法では、人間の存在それ自体が重要で、かけがえのない存在であると考えます。セラピーにおいて、信頼できる他者(セラピスト)に「受容された」とクライアントが感じること、「自分を理解してもらえている」という安心感が重要だと考えられています。セラピストは、クライアントが自己の存在に気づき(self-awareness)自分で人生を選択できるようにサポートします。

クライアント中心療法

Client-Centered Therapy

カール・ロジャースが提唱した療法です。1)無条件の肯定的尊重(unconditional positive regard)、2)共感(accurate empathic understanding)、3)純粋性(genuineness)が重要とされています。セラピーにおいて、セラピストは良し悪しを判断せず、真摯な態度でしっかり話を傾聴します。クライアントは「自分を理解してもらえている」と感じる経験を通じて、自分自身を内省し新たな気づきを得て、さらに成長することができます。

グリーフセラピー

Grief Therapy

グリーフ(grief)は、英語で「深い悲しみ」や「悲嘆」を意味します。大切な家族、ペット、親しい友人などを亡くした時、とても悲しくなり気分が落ち込み、何もする気が起こらなくなるかもしれません。気持ちの整理が難しく、生活の変化に慣れて気持ちを立て直すのに時間がかかることもあるでしょう。

セラピーという安全な場で、亡くなった方との大切な思い出や自分の気持ちを話していきます。亡くなった方の生きた意味、自分の生きる意味・人生の意義などに気づき、前向きに人生を捉えなおすきっかけが見つけられるようサポートします。

その他、ポジティブ心理学(Positive psychology interventions)、解決志向的アプローチ(Solution Focused Approach)、短期療法(Brief Therapy)、対人関係論(Interpersonal Theory)、動機付け面接(Motivational Interviewing)、家族システム論(Family Systems Theory)など、その方の状態や環境に応じた最適なアプローチを用います。