Sakura

ブリーフセラピー(Brief Therapy:短期療法)-1

こんにちは。仙台市青葉区のおざわ心理相談室です。

仙台では、ここ数日の暖かい陽気で桜が一斉に開花しています。ピンクの桜を見ていると本当に癒されます。

外出自粛で家にいる時間も多くなっているので、屋内でもできることを見つけて挑戦しストレス解消に役立てていらっしゃる方も多いと思います。

おざわ心理相談室では、カウンセリングルームでの対面セッションに加え、スカイプを使ったカウンセリングも行っております。カウンセリングは受けたいけれど外出するのがためらわれるという方は、ご自宅からもセッションを受けられます。お気軽にお問い合わせください

 

さて、今日はブリーフセラピー(Brief Therapy:短期療法)をご紹介します。

ブリーフセラピーは、短期療法という名前の通り、比較的短期間で問題の解決を目指す療法です。回数はケースにもよって一概には言えませんが、1回で終了するものから、だいたい10セッションまでです。

ブリーフセラピーの特徴:
キーワードは未来志向です。過去の原因探しをするよりも、今ここで何が起きているのかが重要と考え、前向きな思考回路や行動を起こすことで、問題の解決を目指します。「原因は何か?」「どうして××なのか?」と原因探しをしても問題の解決には結びつかないと考えるからです。

個人、カップル、家族セラピーで幅広く用いられます。

ブリーフセラピーが向いている問題・症状:
日々のストレスから人生に影響する出来事など幅広い問題に対応可能です。一方で、統合失調症や大うつ病など重篤な精神疾患には向かないとされています。

セラピーを成功へ導くカギ:
・出来ることや変化が可能な事柄(コントロールできるもの)に焦点を合わせる
・「変わりたい」と思う強い気持ちがあり、目標(どうなりたいか)を自分で決める
・問題解決のためのリソースや自分の持っている強みを理解し、それを利用する

代表的な介入法:
ソリューション・フォーカスト・アプローチ(Solution Focused Approach:解決志向アプローチ)が代表的な介入方法です。問題に対処する時、人は過去の経験から培った方法や習慣を用いて対応しようとします。ソリューション・フォーカスト・アプローチでセラピストは、問題を抱えるクライアントのこれまでの対処方法(解決パターン)を見直して問題解決ができるように、クライアントの変化を援助します。これまでの対処方法を修正したり、新しい対処方法ができるようになる等、持続可能で継続的な変化ができるようにクライアントをサポートします。

目標とする効果:
「もしも」と前向きな内容を想像することで・・・・
・後ろ向き思考に深入りするのを避けることが可能になります
・ポジティブな未来をイメージすることで、自分から何か行動を起こそう!という積極的な思考を引き出す事が可能になります。

※想像力とやる気に関係する脳内の物質(ドーパミン)が活性化するからと考えられています。

代表的な4つの技法:
1)ミラクル・クエスション(miracle question)/タイムマシン・クエスション(time machine question)
2) ベスト・ホープ・クエスション(best hopes question)
3)例外探しのクエスション(exception question)
4)もしも、××だったらクエスション(if question)

人生でありうるポジティブなイメージを自分の中で描き、それを実現するために、今、何を、どのように変えたらいいのだろうか?と考える、きっかけ作りの質問です。簡単には行かないかもしれませんが、可能性はゼロではありません。質問への答えから、これまで気がつかなかった視点で問題をみることで、新しい解決方法を見つける糸口になることを目指します。

 

1-1ミラクル・クエスチョン(miracle question):
「今晩寝ている間に奇跡が起こって、あなたが今日話してくださった問題がきれいさっぱり解決されているとしましょう。夜の間にミラクルが起こって問題がなくなっているとしたら、明日はどんな風に変わっているでしょうか?」

例えば・・・
・朝起きて鏡でみると、自分の顔が生き生きしている
・オフィスに出勤して、自分から元気な挨拶をしている
・昼食中、同僚との会話を楽しんでいる
・取引先でお客様に堂々とプレゼンテーションをしている

 

1-2タイムマシン・クエスション
ミラクル・クエスションで答えがなかなか出ない場合、タイムマシン・クエスションを用いて未来を想定した問いかけをします。「もしもドラえもんのタイムマシンに乗って、3年後の自分に会いに行ったら、どんな素敵な男性(女性)になっているでしょうか?」

3年後の自分は・・・
・素敵なパートナーと一緒にくらしている
・昇進してばりばり働いている
・子どもが巣立って、自分の趣味の時間を楽しんでいる

 

いかがでしたでしょうか?特に、ソリューション・フォーカスト・アプローチは、自分のセルフケアにも使える技法だと思います。このコラムをブリーフセラピーを理解するのに役立てていただければ幸いです。

次回は、この続きをご紹介します。