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COVID-19と小さな喪失

こんにちは。仙台市青葉区のおざわ心理相談室です。

5月14日に宮城県を含む39の県の緊急事態宣言が解除されました。3密を避け、他の県との往来もなるべく控えるなど、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)感染拡大を予防する「新しい生活様式」の実践が求められています。

 

おざわ心理相談室では、スカイプカウンセリングを提供しております。

スカイプなどオンライン(ビデオ)通話のカウンセリングに馴染みのない方もいらっしゃるかと思いますが、インターネット環境の整ったプライバシーが保てる空間であれば、パソコンやスマホを使って、どこからでもご利用いただけます。

もちろん、実際にカウンセリングルームでお会いしてお話しできるに越したことはないのですが、スカイプカウンセリングでは、皆さまの健康と安全を確保しつつ、カウンセリングを受けていただくことが可能です。実際に体験された方々からは、肯定的な感想をいただいてますので、ぜひご検討ください。

 

さて、今日は、COVID-19感染拡大で私たちが体験する小さな喪失について考えてみたいと思います。

喪失というと、愛する人、家族、親しい友人を亡くすことを思い浮かべる方も多いと思います。大切な人を失う悲しみ(グリーフ)は、とても大きなもので、その癒しと回復のプロセスは一人ひとり違います。

そして、グリーフ(悲嘆)には、このような大きな喪失の体験だけでなく、「小さな」喪失体験もあります。私たちは、COVID-19感染拡大で、今、いろいろな小さな喪失を体験しています。

例えば、COVID-19対策のため、仕事が減って自宅待機を余儀なくされたり、収入が大幅に減ってしまった方がいらっしゃるかもしれません。学生の方々は、オンラインで授業が行われるため、クラスメートに会えなくて寂しい気持ちになっているかもしれません。あるいは、今すぐには困っていなくても、先の見えない状況に不安が増している方もおられるでしょう。

そして、外出自粛(Stay at home)は、別な意味での喪失を生み出しているように思います。例えば、一人暮らしや単身赴任をしている方は、帰省を自粛して家族に会うことができなくなっているかもしれません。スマホやパソコンを使ったオンラインのビデオ通話を通じて話すことができても、物足りなさを感じるかもしれません。このような家族や友だちと直接会って話す機会がなくなるのも、小さな喪失体験と言えるでしょう。あるいは、スマホやパソコンを使いこなせないご高齢の方の場合は、直接会うこともビデオ通話もできず、声や手紙だけでのつながりで、とても寂しい思いをされておられるかもしれません。

日常生活も変わってきています。旅行や外食も自粛し、買い物に出かける機会も減らすようになりました。スポーツや文化的な催し物も延期か中止を余儀なくされ、動物園や水族館も休館しています。娯楽が減って我慢しなければならないことも多く、イライラしたり、不安になったり、気分が落ち込んだりするのも当然のことだと思います。

こんな時期は、悲しい気持ち、喪失感、イライラした気持ちを否定しないで、自分の感情をモニターして「自分はいまイライラしているんだ」と、その気持ちを受け入れてあげましょう。

小さな喪失にどのように対処していくかは、一人ひとり違います。それぞれ自分にあった方法で、ご自分のペースで進めていってください。いろいろ試して自分にしっくりくるやり方を見つけてください。

 

いくつかアイデアをご紹介します。

家でできる運動をして、身体を動かしましょう。適度な運動は、気分をリフレッシュするだけでなく、免疫システムを高めることにもつながります。

家での時間を工夫して、クリエイティブに過ごしましょう。家族みんなでゲームをするのも良いでしょう。一人暮らしの方は、映画をみたり、食事の時間にはテレビを消して、食べることを楽しんでください。YouTubeでヨガやリラクゼーションをするのも良いと思います。

 

残念ですがCOVID-19前の生活にもう戻ることは出来ません。「新しい生活様式」への変換は、喪失体験からの回復のプロセスと言えるように思います。

喪失からの癒しと回復のプロセスは一人ひとり違います。かかる時間も人それぞれです。焦らず自分のペースでゆっくり進んでいきましょう。